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ポイントで分かる「農業体験」と「農村文化体験」の違い

更新日:2024年7月24日

丸園では、農業体験という言葉でなく、「農村文化体験」という言葉を良く使わさせて頂いています。その経緯等について整理させて頂きました。


農業体験で欠けてしまいがちな視点

近年、農業体験への関心が高まっている傾向があります。しかし、一般的に農業体験の中では、作物の作付けや収穫までの作業プロセスを理解したり愉しんだりしながら「農業」としての活動を体験する範囲であることも多いようです。その中では、その地で永い年月の中で培ってきた、農業者としてのライフスタイルや自然との向き合い方等の文化理解まで踏み込んで伝えるプログラムは少ないのが現状のように、私は感じています。


農村文化とは何か?

丸園が考える農村文化とは、"日本人が大切にしてきた生活"そのものとも言えます。四季の変化を大切にし、近隣の方々とも繋がりを強め、仕事だけではなく、年中行事にも共に参加し、地域内の資源(商売や産物)を大切に扱うという、私たちの先祖が行ってきた日常の営みそのものです。農業における作業理解に留まらず、地域の歴史も踏まえて、なぜこの地で農業が栄え、どのような農村を形成してきたかという背景も理解することで、日頃、農業や農村に触れることが少ない方々にも、愉しめる体験として設計しています。


地元(さいたま市美園地区)で継承したいこと

近年、私の住む地域・さいたま市美園地区(浦和美園駅周辺地域)も都市開発の煽りを受けています。都心から約25㎞程の場所にありながら、江戸時代中期に干拓された広大な見沼田圃をはじめ、これまで残されてきた農村原風景とも言える景観も無くなり始めているのが現状です。

これは単に、景観の問題だけではなく、そこに住む人たちのライフスタイルや意識も変化することを意味しています。私としては時代の流れに流されるだけではなく、私の地元が長い歴史の中で培ってきた「農村としての文化」を継承していきたいと考えています。

写真)見沼代用水昭和30年代と現在の様子



実は、農村の文化に学ぶことは多い

私の地元で継承されている農村としての文化は、特に美園地区に限らず、日本各地の農村としても共通して言えることは多いかも知れません。丸家が380年、先祖代々この地で暮らしてきた経過も合わせて考えると、今でも美園地区で確認できる農村文化をモチーフにして、サービス化することで、広く現代社会で課題になっていることも、あらためて解決に向けた糸口として見出せるように考えています。


農村文化の4つの要素

では、農村文化はどのような要素で構成されているか、私の経験の範囲で、整理してみました。


  • 季節の変化を愉しむ

農村での主な生活基盤は、もちろん土地を耕し、作物を収穫し、流通させることですが、その基本は四季の変化を先読みし、収穫の予測を立てようとすると、どうしても四季の変化には敏感になります。加えて、その四季の変化に合わせて、旬な食材が身近にあり、自らが植えた花や庭木の成長の他、日本人として持つ季節の変化を愉しむ感性が研ぎ澄まされています。


  • 近隣の人達とも協働することが多い

各家単位で個別に行う農業者としての生産活動もありますが、米の作付け・収穫の他にも、協働で成り立つ要素も多く、近隣の人達ともコミュニケーションが緊密です。この中ではお互いの仕事の仕方を学び合う、市場での新しい動きなどの情報もやり取りします。


  • 季節の行事を通じた繋がり

地域内には「鎮守様」や「お寺」もあり、各季節ごとの行事には住民が積極的に参加してきました。その活動の中には、現在では、地域内の同調圧力に近くなりつつあるものもありますが、そこで地域としての絆を感じたり、先祖が大切にしてきた活動を後生の人達が受け継ぐといった、歴史観も育まれていることは事実でしょう。


  • 自給できる機能が保たれている

地域内には多くの職業の人たちがいます。(今では、いましたという方が正しいです)。かつて車やバスなどの交通インフラが整うまでは、人々の活動範囲は狭かったことから、地域内の各商店で生活用品や食料品も揃うようになっていました。鍛冶屋・金物屋等の農業に関わる店の他、味噌・魚・菓子等の食に関わることなど、多くのことが地域で事足りるような職業の人達で、地域内の経済も支えられていました。



農村文化を容(かたち)にする

先述のように、農業体験では主に農作物の植えつけ~収穫までの作業プロセスを体験することが多いのですが、農村文化体験では、農村での生活の一部を切り取り、体験サービスとしていることから、農業を中心としたライフスタイルや自然との向き合い方を学ぶこと含んだ内容として設計しています。

現在では、私の住むさいたま市美園地区でも、この農村文化は薄くなる傾向にありますが、現在でも残っていることは確かです。この農村文化を幾つかに分けて/切り取って容として提供をしています。


現在、丸園で体験できる3つのサービス

現在、丸園では、農村文化体験として、以下の3つの体験を開催させて頂ています。

①地場産業の植木・盆栽業の一部「かじゅある盆栽づくり体験」

②100年以上前に植栽され、農薬不使用・無肥料で管理されている茶の木を活かした「釜炒り茶づくり体験」

③農村での御持て成しの一場面でもある「うどんづくり体験(季節野菜天ぷらランチ付き)」



■皆様のお越しをお待ちしています

都心から25㎞程度の場所で、農村原風景を感じる場所で、ご家族・友人通同士、気軽に愉しんいただきたいと思います。丸園公式HPで詳しくご覧ください。https://www.maruen-best.com/

ご関心に応じて、お気軽にお問合せくださいませ。アクセスはこちら


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